ブータンの首都ティンプーで生活して驚いた7つのこと。

とにかく伝えたいこと

ブータンの首都ティンプーではキャッシュレス決済が進み、若者は海外に憧れるなど、日本人がイメージするブータンとはかけ離れている現実があります。若者の間では日本のアニメや不良文化が人気です。

ブータンの首都ティンプーに2か月滞在していました。

 

ブータンといえば幸せな国というイメージを持つ人も多いでしょう。

自然に囲まれた環境で牧歌的な生活を送っているのだろうと想像していますよね。

 

首都ティンプーでいえば、たしかにのんびりとした雰囲気がある一方で、イメージとは異なる部分に驚かされることもあります。

 

そこで今回は、「ブータンの首都ティンプーで生活して驚いた7つのこと」を紹介していきます。

ブータンの今について興味がある人は、ぜひ最後まで読んでみてください!

 

①電子決済が主流

首都ティンプーではキャッシュレス化が進み、電子決済が主流となっています。

こんなところで電子決済が使われる

  • 商店や市場
  • カフェやレストラン
  • 駐車場の料金
  • タクシーの乗車賃 など

 

ブータン人はこれらの支払いをスマホでササッと済ませてしまいます。

もはや現金で支払いをする人が減ってきているのか、市場や小さな個人商店などでは現金で支払うと、「今お釣りがない」と言われることもしばしば

 

スマホでバーコードを読み取り、金額を入力して見せて決済完了です。

ただし、ブータンの銀行口座と連携したスマホアプリが必須なので、旅行者が利用する機会はまずないでしょう。

 

②道路に信号機がない

ブータンの道路には信号機がありません

交差点はどうなっているかというと、ラウンドアバウト(環状交差点)になっています。

ラウンドアバウトとは

  • 環状路に入る車は左折して時計回りに進む
  • 環状路を走っている車が優先

この2つを決まりとする、信号機が不要の交差路。

信号機は一度導入されたものの、ブータン人には馴染まなかったので中止になったそう!

信号がない代わりに、ティンプー市内のあちこちに交通警察がいます。

混雑する交差点には、手信号で交通整理をする交通警察の姿も。

 

また、横断歩道にも歩行者用信号なんてものはありません。

その代わり、横断歩道で待っている歩行者がいれば、ドライバーさんは一旦停止して歩行者を渡らせてあげています。

 

③病院が無料

病院での診察が無料、薬も無料、入院も手術も無料

ブータン人だけではなく、ブータンに住んでいる外国人も旅行で訪れている人も無料です。

血液検査や薬物検査なども無料でした。

病院でもらう薬は無料だけど薬局に行くと有料

そのため、風邪を引いたりケガをしたら病院に行けとブータン人は言います。

しかし、病気やケガによっては薬局の方がより効果の高い薬が手に入ることもあるそうです。

 

費用がかからないということで、必然的に病院は混んでいます。

ちなみに、病気になったら病院よりも先にお寺に行く人も多いといいます。

病院は無料なのに病院内の駐車場はお金がかかるのが面白い!

 

④見た目が日本人と近い

ブータン人は見た目が日本人に似ている人が多いです。

というで、私も初対面の人にはかなり高確率でブータン人だと勘違いされました。

 

実はブータン人と日本人は共通のルーツを持つとされています。

日本人とブータン人のルーツ

現在のロシアにあるバイカル湖の東に住んでいた民族がブータン人と日本人のルーツ。

そこから南西に移動したのが現在のチベット系のブータン人で、南東に移動したのが現在の日本人。

それぞれ山間部と島国で生活していたことで、ほかの民族との混血が進まず、もともとの特徴が残っていると考えられている。

 

こうした理由から、ブータン人と日本人は容姿が似ているそうなんです。

特に笑顔が似ていると思います!

 

⑤日本のアニメや映画が大人気

海外では日本のアニメというとワンピース・ナルト・ドラゴンボールが人気ですが、ブータンでも例外ではありません。

これらの作品に加えて、ティンプーでは僕のヒーローアカデミア、ブルーロック、呪術廻戦、HUNTER×HUNTER、進撃の巨人なども人気です。

街なかでは日本のアニメのキャラクター描かれたTシャツを着ている若者をよく見かけます。

 

また、ティンプーでは「日本の『ゲンジムービー』が好きだ」とよく言われます。

これは、映画「クローズ」シリーズのこと。

 

主人公の名前が滝谷源治(げんじ)なので、ブータンでは「ゲンジムービー」と呼ばれているみたいです。

日本の不良文化に興味がある若者が多いようです

クローズ人気により、ティンプーでは若者たちの喧嘩や乱闘も増えたらしいです。

 

さらに、日本のヤクザに憧れているという若者もいます。

「日本のヤクザのように全身にタトゥーを入れたい」と熱く語っていました。

 

⑥ゴミのポイ捨てが多い

ブータンでは建築規制により、新しく建てる建物にも伝統的なデザインを採り入れなければなりません。

そのため、近代化が進むティンプーですが、高層ビルや近代的な外観の建物なんかは一切ないです

ティンプーに住む人々たちも、街の景観の美しさや街の内外に広がる豊かな自然を誇りに思ってます。

 

しかし、その一方で、足元に目を向けると「桃源郷」には似つかわしくないほどのゴミが捨てられています

ポイ捨てされているゴミはお菓子の袋、ジュースのペットボトル、日用品の包装などで、とても無視できる量ではありません。

 

ただ、こうしたゴミのポイ捨て問題に関してはJICA協力の元、ポイ捨て防止活動や清掃責任の明確化(建物の周りは建物の所有者が清掃するなど)といった対策がなされているそうです。

 

ブータンは国として国民の幸福度を重視しています。

そうなると、やはり自分が暮らす街は汚いよりはキレイな方が良いに決まっていますよね。

 

またブータンは観光業に力を入れている国でもあります。

街の景観を美しく保つ必要があり、ゴミのポイ捨てはそのままにしていい問題ではないでしょう。

 

⑦オーストラリアへの移住者が多い

世界一幸せな国として国際社会から注目を集めたブータン。

当然、ブータンで暮らす人々はみんな幸せなのだろうと想像します。

 

しかし、残念ながらそんなことはありません。

 

現在、ブータンではオーストラリアへ出稼ぎに行く人が続出しています

しかも、必ずしも貧しいからオーストラリアに行くわけではなく、ある程度余裕のある暮らしをしている人でも行くわけです。

 

私が知り合った20代の若者の多くが、

  • ブータンで働いていても稼ぐことができないから、オーストラリアに働きに行く
  • オーストラリアで3年働けばブータンで家が建ち、5年働けば一生働かずに暮らせる

と語っていました。

 

ブータン人の国外流出は年々増加しています

かつては、衣食住があり、当たり前の生活ができることが幸せだと感じていたブータンの人々。

経済的な豊かさに目を向け始めた結果、幸せの基準に大きな変化が生じているようです。

 

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まとめ:行ってみなければわからなかったブータン

ブータンの首都ティンプーで2か月生活して気づいたこと、驚いたことを紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?

ここで、今回の記事の重要な点をおさらいしておきましょう。

この記事のポイント

  • 電子決済が主流で、現金での支払いはむしろ少ない
  • 道路には信号機がなく、交差点はラウンドアバウト(感情交差点)になっている
  • 病院は診察、入院、手術、薬などすべて無料で受けられる
  • ブータン人と日本人は共通のルーツを持つとされ、見た目が似ている。
  • 日本のアニメや漫画が若者に人気で、特に日本の不良文化に興味がある人が多い
  • 街の景観は美しいものの、ゴミのポイ捨てが多いことが気になる
  • ブータンで働いても稼げないため、オーストラリアに出稼ぎに行く人が続出している

 

信号機がないことや病院が無料であることは、ブータンならではの特徴です。

電子決済が主流となっている点、日本のアニメが人気である点などは、スマホを持つ人が増えたということでしょう。

近代化を遂げつつあるほかのアジアの途上国でも同じような光景が見られます。

 

そしてゴミのポイ捨て問題やオーストラリアへの出稼ぎもまた、近代化していく途上国で見られる特徴の1つではないでしょうか。

急速な近代化に対して、制度や教育、人々の考え方が追いついていないのではないかと思います。

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