冬のデリー空港は欠航・遅延が起きやすいというお話。
2024年1月。
インドから日本に帰るとき、インド人の友人に帰り方を聞かれたので、
バグドグラ空港からデリー空港を経由して帰る
と伝えると、友人は少し考え込んで、
うーん、大丈夫かな。。。
と何かを心配し始めました。
冬のデリー空港は霧で欠航や遅延が多くなるんだ
ちょっと確認してみるよ
と、空港で働いているという知り合いに連絡してくれました。
すると、
ここ数日は大丈夫そうだ
何やらデリーの濃霧はとても厄介らしいです。
ということで今回は、「冬のデリー空港は欠航や遅延が起きやすい」というお話についてまとめていきます。
冬にデリーを訪れる人、デリー経由で旅をしようと考えている人は、ぜひ最後まで読んでみてください!
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冬のデリー空港では霧により欠航・遅延が続出することがある
冬のデリー空港では濃霧により欠航・遅延が続出します。
デリー空港の滑走路が濃霧により使用できなくなった場合、フライトには以下のような影響があります。
- デリー空港行きのフライトが遅延・欠航する
- デリー空港発のフライトが遅延・欠航する
- デリー空港に向けて出発したが、ほかの空港に着陸する
実際に、2024年1月に発生した3日間の濃霧の影響で、デリー空港を出発する33便が欠航し、128便に遅れが出ました。
参考
ロイター通信「インドで航空便の遅延・欠航続く、寒波による濃霧で」
デリーでは鉄道の運行も濃霧で遅れる
濃霧の影響で遅延するのは航空便だけではありません。
デリー周辺の駅を発着する鉄道もまた、運行が遅れることになります。
さらにいえば、極度に視界が悪くなると車もゆっくり運転しなければなりません。
すると渋滞になることが考えられるため、タクシーでの移動も計画通りにはいかなくなるでしょう。
霧が発生するとデリーの多くの交通機関は混乱状態に陥ることが予想されます。
デリー周辺で濃霧が発生する理由はPM2.5?
そもそも霧が発生する原因は何なのでしょうか?
気象庁によると、水蒸気を含んだ空気の塊が、
- 気温の低下
- 水蒸気の増加
のどちらか、あるいは両方によって、水蒸気が飽和したときに霧が発生します。
インドというと暑い国というイメージがありますが、北側は冬になるとちゃんと寒くなる、常夏とは程遠い気候です。
特にデリーの冬は、日中は20度ほどになるものの、朝晩は5度近くまで冷え込むこともあります。
霧の発生の原因である①気温の低下に当てはまりますね。
大気汚染がデリーの濃霧を引き起こす
さらに霧の発生に拍車をかけるものがあります。
それは大気汚染です。
大気汚染といえばPM2.5を思い浮かべる人も多いと思います。
実は、このPM2.5が霧の発生に深く関わっているんです。
PM2.5などの微粒子が空気中の水蒸気とくっつき霧となります。
つまり、PM2.5の濃度が高い(大気汚染が深刻な)デリーでは、急激な気温の低下による霧が発生しやすいということになります。
参考
リンク:PM2.5と濃霧の深い関係
デリーの大気汚染が深刻なレベルにある原因とは?
デリーの大気汚染の主な原因は以下のとおりです。
大気汚染の原因
- デリー周辺の農業地帯で行われる野焼きの煙が季節風で流れてくる
- 経済の発展にともなう、工場や車の排気ガスが増えている
- 盆地にあるデリーの街には空気がこもりやすい
- 気温が低く、上昇気流が起きにくい
- 10月〜12月は乾季で雨がほぼ降らず、風もあまり吹かない
さまざまな要因が重なって、デリーの大気汚染は深刻なものになっています。
街中でよく見かける焚き火も原因の一つ。
このように、
- 気温の低下
- 大気汚染
が重なって、冬のデリーでは深刻な濃霧が発生しているんです。
特に濃霧が発生しやすいのは12月〜1月
特にデリー周辺で濃霧が発生しやすいのは12月〜1月。
この時期にデリー空港を利用する人は、十分に注意しなければなりません。
デリー空港を利用する前にできる欠航・遅延対策
デリー在住者はもとより、旅行で訪れる人々をも困らせる濃霧。
果たして、飛行機の欠航・遅延というトラブルに、我々ができる対策はあるのでしょうか。
ここで、いくつか考えてみたものを紹介します。
対策
- デリー空港を使わない
- トランジットの時間には余裕を持つ
- 予約時に欠航・遅延に関するオプションを付帯する
- 航空遅延保険に加入する
可能であればデリー空港を使わない
冬はなるべくデリー空港を使わない方がいいかも
これは親しいインド人から言われた言葉です。
航空券は何日も前、あるいは何か月も前に予約しますよね。
しかしながら、そんなに前々からデリー周辺の霧の発生を予測することなんてできません。
そこで1番確実なのは、霧が発生しやすい冬の時期にデリー空港を利用しないことです。
インドにはたくさん空港があり、鉄道網も発達しています。
長距離バスもある!
デリー空港を利用する以外の代替案があれば、そちらを選ぶのが無難かもしれません。
遅延・欠航時の保証オプションを付けておく
格安航空券を選ぶ人なら、なるべくオプションを省いて、チケットを安くしたいですよね。
しかし、冬のデリー空港を利用する場合は、遅延・欠航時のオプションを付けておくことをおすすめします。
たとえば、以下のようなオプション。
- 予約内容の変更
- 払い戻し
- 当日のフライト変更 などなど
冬のデリー空港はリスクがある分、ほんのちょっとお金をかけてでも遅延・欠航対策をしておくのがいいでしょう。
飛行機の遅延・欠航用の保険に加入しておく
飛行機の10本に1本は遅延するとも言われています。
しかしながら、台風や雷などの天候不順による遅延・欠航では、航空会社から補償がない場合が多いようです。
さらに遅延・欠航になると余計な出費が増えていく。。。
そのため、飛行機の遅延・欠航を補償してくれる保険に加入しておく必要性があるのです。
飛行機の遅延・欠航の補償に関しては、海外旅行保険の基本プランに組み込まれていることもあります。
しかし、特約やオプションで追加しなければならないタイプも多いです。
冬のデリー空港を利用する人は海外旅行保険に加入するときに、遅延・欠航補償も忘れずに付帯させておくようにしましょう。
トランジットの時間には余裕を持つ
個人的にトランジット(乗り継ぎ)の目安時間は3時間以上と考えています。
しかし、冬のデリー空港を利用するトランジットでは3時間はかなり心配です。
デリー空港の出発も到着も時間が読めなくなる!
冬のデリー空港でのトランジットを計画するときには、乗り継ぎ時間をいつもよりも長めに考えておくのがいいでしょう。
個人的には、デリーを出発するフライトが2〜3時間くらいは遅延していいように、トランジットの時間を考えておくのがいいのかなと思います。
さらに言えば、加入する飛行機の遅延補償の補償基準も考慮して乗り継ぎ時間を考えるといいかもしれません。
例えば、エイチ・エス損保「海外旅行保険たびとも」の航空機遅延補償では、「6時間以上遅延」したときに保険金が支払われます。
大幅に遅延した時は補償されるので、大げさにトランジットの時間を長く設定する必要もないかもしれないですね。
【おまけ】飛行機だけではない!濃霧で旅行も生活も大混乱!
冬のデリーの濃霧による影響は、飛行機の欠航・遅延だけではありません。
- 交通事故
- 健康被害
といったトラブルも多発します。
日程や時間に余裕をもって旅行の計画をしたり、マスクを着用して大気汚染から身を守るなどの対策を行いましょう。
まとめ:遅延・欠航被害者続出のデリーの濃霧
冬のデリー空港では濃霧の影響で、遅延や欠航が起きやすいというお話について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
ここで、今回の記事の重要な点をおさらいしておきましょう。
この記事のポイント
- 冬のデリーでは濃霧が発生しやすく、空港の滑走路が使用できなくなるため、遅延や欠航が起きやすい
- デリーは冬になると5度近くまで冷え込むこともあり、大気汚染も相まって濃霧が発生する
- 特にデリー周辺で濃霧が発生しやすいのは12月〜1月。
- インド人曰く、冬はデリー空港は利用しない方が無難である
- 航空券のオプションや旅行保険の遅延補償など、可能な対策はしておくのがおすすめ
- 濃霧による影響は飛行機だけではなく、鉄道やバスなどの交通機関の混乱、健康被害にも気をつけなければならない
デリー空港の濃霧についてはインド人の友人が教えてくれましたが、周りにいたインド人たちも
デリー経由で帰るのか、心配だな。。。
と言っていました。
どうやらインド人の間では、冬にデリー空港を利用するのはリスクがあるというのは、よく知られた話みたいです。
みなさんも冬のデリーの濃霧には十分気をつけましょう。