オーストリアはビザなしで1年滞在できる!?二国間協定の注意点やETIASについて紹介!

【とにかく伝えたいこと】日本とオーストリアの二国間協定のおかげで、日本人はビザなしでオーストリアに6か月滞在することができます。なんと入国時期によっては計1年間滞在することも可能。ただし、出入国に関しては注意点がいくつかあるので注意しましょう!
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日本人はオーストリアで6か月以内の滞在が可能

シェンゲン協定加盟国のなかで、日本人が3か月以上滞在できる国があります。
それはオーストリアです。
オーストリアは日本と二国間協定を結んでいるので、日本人はオーストリアにビザなしで6か月以内(180日以内)の滞在が可能となっています。
さらに入国の時期によっては、ビザなしで1年間滞在することもできるんです。
そこで今回は、「オーストリアにビザなしで滞在する方法や注意点」について紹介していきます。
オーストリアに訪れる予定のある人は、ぜひ最後まで読んでみてください!
※この記事で紹介しているのはオーストラリアではなくオーストリアなので注意してください。

【オーストリアあるある】8割くらいの確率でオーストラリアと勘違いされる
参照
在オーストリア日本国大使館「無査証での滞在」:https://www.at.emb-japan.go.jp/files/000231468.pdf
シェンゲン協定加盟国は3か月以内の滞在が可能

ヨーロッパに行くときに知っておかなければならないシェンゲン協定。
加盟している国を行き来する場合には、陸路でも空路でもパスポートを見せずに国境を越えることができる協定です。
たとえば、ドイツに入国してフランスを経由しスペインから日本に帰るとします。
この場合、ドイツで入国審査、スペインで出国審査を受ける以外は、出入国の審査を受ける必要がありません。
出入国に関しては、シェンゲン協定加盟国が1つの国のようになっているのです。
日本人がシェンゲン協定加盟国へ行く場合、ビザなしで「あらゆる180日の期間内ので最大90日間」滞在できます。
つまり、連続して滞在できるのは約3か月ですね。
滞在日数を確認したい人は、シェンゲン計算機を使って日数を計算してみてください。
リンク
シェンゲン計算機:https://www.visa-calculator.com/jp
ちなみに2021年現在、26か国がシェンゲン協定に加盟しています。
EUに加盟しているからといって、シェンゲン協定に加盟しているとは限りません。
【体験談】ビザなしでオーストリアに約1年間滞在した話

オーストリアに滞在した約1年間の出入国の流れを紹介!
僕は2014年から2015年にかけて、約1年間オーストリアにビザなしで滞在していました。
ここでは、実際に僕が体験したオーストリアへの出入国の流れを紹介します。
2014年7月初めに日本を出発。
ドイツのフランクフルトへ到着し入国審査を受けました。
そこからオーストリアへ飛行機で移動し約6か月滞在。
12月にオーストリアから日本へ帰国しました。
ここでビックリすることが起きます。
なんと、シェンゲン協定加盟国以外の国にいれば、1月1日に滞在日数がリセットされるんです。
つまり、再びオーストリアに入国することができてしまいます。
年末年始を日本で過ごしたあと、2015年1月に日本を出発し再びオーストリアに入国。
約6か月滞在し、6月末にオーストリアを出国しました。
この間の出入国審査では特別なトラブルもなく、スムーズに通ることができました。
オーストリア1年滞在の流れ
●2014年7月初め:ドイツ入国オーストリアへ移動
ーオーストリアに約6か月滞在
●2014年12月中頃:オーストリア出国
ー年末年始は日本滞在
●2015年1月初め:オーストリア入国
ーオーストリアに約6か月滞在
●2015年6月末:オーストリア出国
ビザなしで1年滞在したい場合は、事前に情報を確認する
僕だけがたまたまスムーズに出入国できたわけではありません。
この時期に僕の数人の友人も同じように出入国し、問題なく約1年間オーストリアに滞在することができました。
ただし、僕がオーストリアにいたのは2014年のこと。
出入国に関してのルールは変わることがあります。
また、入国管理局の担当者の解釈しだいで、出入国審査の基準もゆるかったり、厳しかったりするので厄介です。
オーストリアにビザなしで3か月以上滞在したい、または年をまたいで1年間滞在したいという人は、事前にオーストリアにある日本大使館か日本にあるオーストリア大使館で確認してみてください。
オーストリアにビザなしで3か月以上滞在するときの注意点

ビザなしでオーストリアに3か月以上滞在できるのはとてもありがたいこと。
その代わりに、注意しなければならないこともたくさんあります。
ビザなし滞在の注意点
- 注意①就学・就労目的の滞在にはほかのビザが必要
- 注意②アパートや友人の家に住むときにはには住民登録が必要
- 注意③入国してから3か月以降はほかの国には行けない
- 注意④帰るときはシェンゲン協定加盟国で乗り継いではいけない
- 注意⑤渡航時には帰国日がわからなくても帰りの航空券を用意しておく
- 注意⑥ほかのシェンゲン協定加盟国から入国するときは3か月以内の帰りのチケットが必要
- 注意⑦2度目の渡航は、オーストリアへ直接入国しなければならない
オーストリアにビザなしで3か月以上滞在するつもりの人は、渡航前にかならずチェックしておくようにしましょう。
注意①就学・就労目的の滞在にはほかのビザが必要
ビザなしでの滞在が許可されているのは、観光などの非営利目的の場合のみ。
就学・就労を目的として滞在する人は、ほかのビザが必要になります。
6か月以内の滞在で現地の学校に通いたい人には、「短期労働ビザ(ビザD)」があります。
また、2016年から始まった「ワーキングホリデープログラムビザ(WHPビザ)」を取得することで、就労許可がなくてもオーストリア滞在中にお小遣いを稼ぐこともできるようになりました。
しかも、WHPビザオーストを取得すると、1年間のオーストリア滞在が可能になります。
こうしたビザの情報をよくチェックしておくと、オーストリア滞在をさらに有意義にできますね。
オーストリアのビザ情報
注意②アパートや友人の家に住むときにはには住民登録が必要
ビザなしでの滞在で、ホテルなどの宿泊施設以外の住居を利用するときには、住民登録をする必要があります。
アパートを借りたり、友人の家に一緒に住んだりするときには、転居してから3日以内に住民登録をしなければなりません。
ホテルやペンションなどの宿泊施設として登録されている場所で暮らすのであれば、住民登録をする必要はないので安心してください。
注意③入国してから3か月以降はほかの国には行けない
日本人は二国間協定があるので、ビザなしでオーストリアに3か月以上滞在することができます。
しかし、ほかのシェンゲン協定加盟国では3か月(90日)が限度です。
ほかのシェンゲン協定加盟国に入国し、3か月(90日)滞在してからオーストリアに移動して、さらに3か月滞在するということはできます。
【例:ドイツ90日→オーストリア90日=できる】
しかし、3か月を過ぎた状態で、オーストリアから隣国のイタリアやドイツへいってしまうと、オーバーステイになってしまいます。
不法滞在として逮捕されてしまうかもしれません。
【例:ドイツ90日→オーストリア30日→ドイツ=できない】
ビザなしでオーストリアで過ごす場合、シェンゲン協定加盟国に入国してから3か月以降は、ほかの国に行かないようにしてください。

注意④帰るときはシェンゲン協定加盟国で乗り継いではいけない
シェンゲン協定国間は国境でパスポートを見せる必要がないので、自由に行き来することができます。
そこで気をつけなければならないのは、どの国の空港でシェンゲン協定加盟国を出るかです。
たとえば、オーストリアから日本へ帰るときに、直行便ではなくドイツで乗り継ぐと、シェンゲン協定加盟国からの出国はドイツになります。
しかし、すでに説明しているようにドイツではビザなしで3か月以上滞在することはできません。
日本とオーストリアの二国間協定のことは、ほかの国には関係ありません。
そのため、仮にオーストリアに6か月滞在していた場合、ドイツの法律に基づいて判断すると、3か月も不法滞在していたということになってしまいます。
国によって異なりますが、不法滞在には罰金刑や懲役刑が科されます。
そのため、ビザなしでオーストリアに3か月以上滞在した場合、帰国するときにはオーストリアから日本への直行便を利用しましょう。
もしくは、ターキッシュエアラインズ(トルコ経由)やエミレーツ航空(UAE経由)などの、シェンゲン協定加盟国で乗り継ぎをしない航空会社を選んでください。
注意⑤渡航時には帰国日がわからなくても帰りの航空券を用意しておく
オーストリアへ行くときは、帰りの日にちが決まっていなくても6か月(180日)以内の帰りの航空券を用意しておかなければなりません。
「帰る日が決まってないなら、わざわざ帰りの航空券を買っておかなくてもいいんじゃないの?」と思う人もいるかもしれません。
しかし、帰りの航空券は必要なんです。
搭乗手続きのときに「帰りの航空券は持っていますか」と聞かれます。
ビザなしで行ける国では、帰りの航空券を持っていることで、「◯日まで滞在しますよ」「不法滞在する気はなく、ちゃんと日本に帰りますよ」という証明になるからです。
もし帰りの航空券を持っていないと、空港で航空会社から搭乗を拒否されてしまったり、目的地に着いてから入国拒否されてしまう可能性があります。
そのため、日にちが決まっていなくても帰りの航空券は用意しておきましょう。
注意⑥ほかのシェンゲン協定加盟国から入国するときは3か月以内の帰りのチケットが必要
オーストリアへ行くときは、6か月(180日)以内の帰りの航空券を用意するのですが、注意してほしいのがシェンゲン協定加盟国への入国審査がオーストリア以外の国の場合です。
たとえば、ドイツを経由してオーストリアに行くとすると、シェンゲン協定加盟国への入国審査はドイツでおこなうことになります。
そのため、ドイツのビザなしでの滞在限度である3か月(90日)以内の帰りの航空券を用意しておかなければなりません。
オーストリアに6か月滞在するからといって6か月後の帰りの航空券を持っていると、航空会社から搭乗拒否されてしまう可能性が高いです。
もしくは、ドイツのイミグレーションで入国拒否されてしまいます。
実際に僕はこのミスを犯し、一度飛行機への搭乗を拒否されてしまいました。
そのため、オーストリア以外の国からシェンゲン協定加盟国に入国するときは、3か月以内の往復航空券を買っておき、渡航後に帰りの航空券をキャンセルしましょう。
または、シェンゲン協定加盟国から出国できる一番安い航空券を捨てチケットとして用意しておくという手段もあります。
注意⑦2度目の渡航は、オーストリアへ直接入国しなければならない
もし、年をまたいで滞在日数がリセットされ、2度目のオーストリア滞在をする場合は、必ずオーストリアで入国審査を受けるようにしてください。
ほかのシェンゲン協定の加盟国からでは、滞在日数のルール上、入国することができません。
そもそも日本の空港で、飛行機への搭乗を断られてしまうでしょう。
オーストリアに3か月以上滞在する予定の人は、ほかのシェンゲン協定加盟国の空港を使わないようにして、トラブルを回避してください。
2022年からは欧州渡航情報認証制度「ETIAS」が義務化?

2022年から欧州渡航情報認証制度(ETIAS:エティアス)が導入されます。
ETIASはビザなしでシェンゲン協定地域に渡航する人を対象にした電子認証システム。
アメリカのESTAなどと同じように、国境の安全のなどを目的とした制度です。
もちろん、オーストリアに渡航するときにも必要です。
ETIASの有効期限は3年間もしくはパスポートの有効期限日までとなっています。
オーストリアに1年間滞在したい人でも、渡航前に申請・承認されていれば帰国まで問題なし。
シェンゲン協定地域に渡航予定の人は、インターネットで事前にETIASの申請・承認が完了していなければなりません。
ETIASが承認されていない人は、飛行機に乗ることもできないとされています。
ETIAS申請に必要なもの
- IC入りのパスポート
- クレジットカード(申請費用決済のため)
申請費用は7ユーロ(約903円)。申請から承認まで最大4週間かかることもあると予想されています。
渡航が決まった時点ですぐに申請するようにしましょう。
参照
ETIAS(欧州渡航情報認証制度):http://etias-euvisa.com/
まとめ:渡航に不安があるときは大使館に確認しよう!

日本とオーストリアの2国間協定や、ビザなしで1年間滞在する方法を紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
重要なポイントは以下のとおりです。
この記事のポイント
- 日本人はオーストリアにビザなしで6か月以内の滞在が可能
- 就学・就労が目的の場合はほかのビザが必要
- 宿泊施設以外に住むときは住民登録をする
- 入国してから3か月以降はほかの国に行けない
- オーストリアから帰るときの乗り継ぎ地に注意する
- 渡航時に必要な帰りの分のチケットもよく調べておく
今回紹介した方法は残念ながら100%安全というわけではありません。
僕は2014〜2015年の間にビザなしで1年間滞在できましたが、国際情勢や渡航ルール変更・解釈の問題で、入国や出国がうまくいかなくなる可能性もあります。
また、2018年には、ワーキングホリデービザで12か月滞在できるようになりました。
申請人数は200人ですが、ビザなしでの1年間の滞在を計画している人は、まずはワーキングホリデービザの申請をしてみることをおすすめします。
オーストリアにビザなしで1年間滞在したいと考えている人は、あらかじめ大使館に確認しておくようにしましょう。
渡航や滞在に関する法律やルールは急に変更されることもあるため、常に最新の情報を入手するようにしてください!
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