ゲル地区は本当に危ないの?モンゴル人にゲル地区の治安やイメージについて聞いてみた!
ウランバートルの街の外に広がるゲル地区。比較的所得の低い人たちが住んでいるといわれている地域ですが、モンゴル人の間でもあまり治安がよくないというイメージがあるようです。
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信号の向こうはゲル地区!危険といわれる地域の一歩手前に住む!
僕が今住んでいるのは、ウランバートルの街の中心から10kmほど離れたアパート。
信号の向こう側はゲル地区です。
住み心地は別に悪くないのですが、モンゴル人の友人からは
「なんでそんなところに住んでるの?」
「危ないからもっと街なかに住みなよ」
とよく言われます。
そこで今回は、これまでにモンゴル人から教えてもらったゲル地区の治安やイメージ、そして自分が住んでみて感じたことを紹介していきます。
ウランバートルに訪れる機会がある人、ウランバートルに興味のある人は、ぜひ読んでみてください!
ウランバートルの郊外に広がる「ゲル地区」とは?
ゲル地区に住んでいるのは元遊牧民
モンゴルの首都ウランバートルは中心部と「ゲル地区(гэр хороо)」にわかれています。
「ゲル(гэр)」とはモンゴル語で「家」という意味の言葉ですが、一般的にはみなさんがイメージするモンゴルの遊牧民が住む白いテントのことです。
ゲル地区に住んでいるのはもともと遊牧生活をしていた人たち。
遊牧生活を続けられなくなり、仕事を求めてウランバートルに来た元遊牧民たちが郊外にゲルを建てて住んでいます。
2018年のウランバートル市の人口は約149万人といわれていますが、そのうちの約6割はゲル地区に住んでいるそうです。
モンゴル人は英語で話すときに、よく「カントリーサイド(田舎)」という言葉を使います。
ウランバートルの外の自然あふれる地域のことだと思っていたのですが、ゲル地区も含めてカントリーサイドと呼んでいる人もいるそうです。
ゲル地区のインフラ設備は十分ではない
ゲル地区はどんどん規模を拡大しており、インフラの整備が追いついていません。
ゲル地区の住居を見てみると、ほとんどが敷地内にゲルと普通の一軒家が建てられていますが、一軒家のほうも上下水道は通ってないそうです。
そのため、家から一番近い給水所に水を買いに行きます。
実際にゲル地区を通ると、ポリタンクや水がめのようなものを台車やリヤカーに乗せて水を運んでいる人をよく見かけます。
しかも、その多くが子どもたちです。
また、道路もあまり整備されておらず、大きい通り以外はほぼ砂利道。
通りを離れるほど家は無秩序に近いカタチで建てられており、その証拠にくねくねとした道が多くなります。
モンゴル人に聞いたゲル地区の治安やイメージとは?
ウランバートルの中心部に住むモンゴル人の友人や、実家がゲル地区にあるという友人たちに聞いた、ゲル地区の治安やイメージについて紹介していきます。
①暗くなったら家から出てはいけない
暗くなったらアパートの外に出てはいけないよ
ゲル地区に住むのは比較的所得の低い人たち。
そのため、モンゴル人たちの間ではゲル地区は治安が悪いイメージがあるそうです。
ゲル地区の一歩手前に住んでいる僕は、友人たちから「夜は外出するな」とよく言われます。
酔っぱらいに暴行されたり、強盗に遭う危険があるからと。
友人の話ではゲル地区には飲み屋さんが少ないそうです。
そこで、ゲル地区に住む人たちは、中心部とゲル地区のあいだ辺りにある飲み屋さんに集まるんだとか。
つまり、僕が住んでいる地域が夜になると一番危なくなるということです。
②ギャングスタたちが住んでいる
ここら辺はギャングスタが住んでるエリアだよ
車でゲル地区の住宅街を通っているときに友人から教えてもらいました。
ギャングスタとは、ドラッグの売買や強盗などの違法行為を生業としている人たちのこと。
嘘か本当かわかりませんが、ゲル地区にはギャングスタたちが住んでいると言っていました。
実際に、ウランバートルでは多くのドラッグが出回っているという話は聞いたことがあります。
そのため、昼間でも歩いてゲル地区の奥のほうに入っていくのは危ないそうです。
③昼間でも変な雰囲気の人には気をつける
昼間でも変な雰囲気の人がうろついているから気をつけてね
変な雰囲気の人というのはお酒で酔っ払っているか、ドラッグで判断能力が低下している人という意味。
街の中心部からゲル地区に向かうにつれて、路上で横になっている人を見かける頻度はたしかに多くなります。
横になっているといっても、ただ道端でお昼寝しているのとは違う、酔いつぶれて倒れ込んでしまっている人です。
また、道を歩いていたりバスを待っていたりするときに、酔っ払った人から話しかけられることがあり、少し怖いと感じたりします。
④夜は道が混むのであまり行きたくない
夜は道が混むからゲル地区のほうはあまり行きたくないんだよね
夜遅くまで街の中心部で用事があると、最終のバスがなくなってしまいます。
そんなときは「危ないから」と友人が車で送ってくれるんです。
しかし、夜遅くだというのに街の外側へ向かう通りは渋滞。
いかに中心部へ働きに出ているゲル地区住民が多いかがわかります。
街なかに住む友人が僕を家まで送ってくれたときに、「本当は夜にゲル地区方向へ行くのは時間がかかるから嫌なんだ」と言っていました。
それでも、「タクシーで帰らせるのも危ないから」といって車で送ってくれたのです。
彼はゲル地区周辺にそれほど危険なイメージを持っているのでしょう。
⑤ゲル地区のなかにも特に危険な地域がある
あそこの茶色いアパート周辺はこの辺りで一番危ないエリアだから、ここの道は車じゃないと通ってはいけないよ
友人の車に乗っていると、主要道路が大渋滞しているときは、近道だからといってゲル地区を通ることがよくあります。
そんなときに、ちょくちょく危険な地域を教えてもらうんです。
実際にゲル地区を車で通っているときに、数人の若者同士の乱闘を目撃したことがあります。
真っ昼間のゲル地区です。
ただ、ゲル地区といってもすべての地域が危険なわけではないそうです。
友人からは危ないエリアもあるから気をつけてねと言われています。
ゲル地区の近くに住んでみて実際に感じることは?
ゲル地区の一歩手前に住み始めて1か月以上が経ちました。
僕の感覚では、ゲル地区には大丈夫なエリアもあるし、危険なエリアもあるといった感じです。
夏で日照時間が長いことや、コロナ禍で飲み屋さんなどが閉まっていることが影響しているためか、今のところ危険な目、怖い目にあったことはありません。
それどころか、暗くなっても人通りが多く、子どもが外を出歩いていたりするので、「これのどこが治安が悪いんだろう」とさえ感じてしまいます。
昼間ならゲル地区にあるスーパーマーケットに歩いて買い物に行くこともあります。
しかし、油断してはいけません。
実際に、昼間から変な人にからまれたり、近所ではないですが乱闘を目撃したりしています。
また、外国人はなにかとターゲットにされやすいです。
今後も十分注意しながら、ゲル地区の一歩手前で生活しようと思います。
ぼーっとしていると、トラブルに巻き込まれるかもしれないですからね。
まとめ:海外での鉄則「危ないところには行かない」
モンゴル人に教えてもらったゲル地区の治安やイメージについて紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
今回のポイントは以下のとおりです。
海外で生活するとき、海外に旅行に行くときの鉄則は「危ないところには決して近づかない」。
現地の人に教えてもらった治安の悪い地域はもちろん、自分でも何か危険な雰囲気を察知したら絶対に近づいてはいけません。
ゲル地区のなかには比較的治安のいいエリアもありますが、現地の人から行ってはいけないと言われるような危険なエリアも存在します。
もしゲル地区を訪れる機会があるときは、目立つような服装は避け、トラブルに巻き込まれないように注意しましょう。