ノイシュヴァンシュタイン城にまつわる5つの話。行く前に知っておくべき超豆知識を紹介!
世界で一番美しいと称されるドイツのノイシュヴァンシュタイン城。
観光地の人気ランキングでは、必ずといっていいほど上位にランクインするほど人気があります。
僕も一度訪れたことがありますが、まわりの風景の穏やかさもあいまって、まさにファンタジーの世界にいるような気分になりました。
そこで今回は、知っておくと旅行がもっとおもしろくなる「ノイシュヴァンシュタイン城にまつわる5つの話」を紹介していきます。
ノイシュヴァンシュタイン城に行く予定のある人は、ぜひ最後まで読んでみてください!
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ノイシュヴァンシュタイン城 公式サイト(英語):
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ノイシュヴァンシュタイン城ってどんなお城?
ノイシュヴァンシュタイン城はドイツ南部のバイエルン州にあるお城。
中世の騎士道に強い憧れをいだくバイエルン国王ルートヴィヒ2世によって建てられました。
お城といっても軍事上の防衛拠点というわけではなく、政治をおこなう場所というわけでもない。
ただただ、王様が「こんなお城を作りたい!」といって作ったお城が、ノイシュヴァンシュタイン城なんです。
2つの世界大戦を生き延びたことからも、軍事・政治的に重要ではないことがわかりますね!
趣味で作ったとはいえ、国が傾くほどのお金をつぎ込んで建てたお城です。
その壮麗さたるや、まさにファンタジーの世界にいるかのよう。
ロマンティック街道の終点に位置していることもあり、ドイツ観光の目玉として取り上げられることも多いです。
ノイシュヴァンシュタイン城にまつわる5つの話
ここからは、訪れる前に知っておくと観光がさらに楽しくなる「ノイシュヴァンシュタイン城にまつわる5つの話」を紹介します。
ノイシュヴァンシュタイン城にまつわる話
- 見た目は中世のお城でも建てられたのは150年前!?
- ルートヴィヒ2世とウォルト・ディズニーは似たような世界観を持っていた!?
- お城のなかには建設当時の最先端テクノロジーがいっぱい!?
- ルートヴィヒ2世が住んだのはたったの半年!?
- 大赤字の建設費があっという間に回収できた意外な理由とは?
①見た目は中世のお城でも、建てられたのは150年前!?
ノイシュヴァンシュタイン城はその見た目から、何百年も前に建てられたのだろうとイメージしてしまうかもしれません。
しかし、実は建設がスタートしたのは1869年、今から約150年前なんです。
日本では江戸時代が終わり、新しく明治政府が誕生したころ。
すっごい昔というわけではないんですね。
ノイシュヴァンシュタイン城は見た目よりだいぶ若いんですね!
ではなぜ、ノイシュヴァンシュタイン城がおとぎ話に出てくるような見た目のお城になったのかというと、ルートヴィヒ2世が中世の世界観に憧れていたから。
つまり、ノイシュヴァンシュタイン城は夢見る王様の理想をお金をかけて再現したものということになります。
ヨーロッパのお城が好きな人なら、彼の気持ちに共感できるのではないでしょうか。
②ルートヴィヒ2世とウォルト・ディズニーは同じ世界観を持っていた!?
カリフォルニア州・アナハイムにあるディズニーランドの『眠れる森の美女』のお城。
そのお城のモデルになったのが、ノイシュヴァンシュタイン城というのはけっこう有名な話です。
ディズニーランドの公式サイトにも、「ノイシュヴァンシュタイン城に着想を得た」と明記されています。
’’Inspired by Neuschwanstein castle’’だって!
『眠れる森の美女』の物語は、もとはヨーロッパに伝わる昔話。
それを17世紀にフランスのシャルル・ペロー氏が読みやすい物語に直し、ディズニーが映画化したのが、みんながよく知っている『眠れる森の美女』というわけです。
実は、シャルル・ペロー氏は『眠れる森の美女』をフランスにあるユッセ城で書いていました。
そのため、本来なら物語に登場するお城のイメージはユッセ城に近いはずです。
それでも、ディズニーランドの『眠れる森の美女』のお城のモデルに選ばれたのはノイシュヴァンシュタイン城でした。
なんとこのお城はウォルト・ディズニーが監督として建設に関わった唯一のお城。
おとぎ話のイメージに1番近いお城としてノイシュヴァンシュタイン城を選んだのだとしたら、ルートヴィヒ2世とウォルト・ディズニーは同じような世界観を持っていたかもしれませんね。
ほかにもカールスルーエにあるヘプフナーのビール工場やラスベガスのエクスカリバーホテル&カジノもノイシュヴァンシュタイン城をモチーフにしているみたいですよ!
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アナハイムのディズニーランド『眠れる森の美女』のお城紹介ページ(英語):
③お城には建設当時の最先端テクノロジーがいっぱい!?
中世のおとぎ話のような外観とは違い、お城のなかは当時の最先端のテクノロジーがいたるところに使われていました。
当時の最先端テクノロジー
- 熱風によるセントラルヒーティングシステム
- ルートヴィヒ2世の部屋まで食事を運ぶエレベーター
- すべてのフロアで水が使えるようになっていた水道設備
- キッチンでは温水と冷水の両方が使用可能
- トイレの自動洗浄システム
- ルートヴィヒ2世が使用人と副官を呼べるように電気ベルシステム(電鈴)
日本が江戸から明治に移り変わるころに、すでにこれだけ便利で快適な暮らしをしていたなんて驚きです。
さらに最先端テクノロジーは建築のときにも使われていました。
まず、ノイシュヴァンシュタイン城には「玉座の間」などの一部で鉄骨構造が組み込まれています。
また、蒸気機関によるクレーンも使い部材などを運んでいました。
お城の大きな窓ガラスも建設当時では珍しいものだったそうですよ!
お城のなかを見学するときは、こうした当時の最先端テクノロジーが使われていたことも意識してみてください!
④ルートヴィヒ2世が住んだのはたったの半年!?
ルートヴィヒ2世は贅の限りを尽くした理想のお城で、さぞかし幸せで夢想的な人生を送ったのでしょう。。。
と、そんなことはありませんでした。
彼がこのお城に住んでいたのはトータルでたったの172日。
ルートヴィヒ2世はノイシュヴァンシュタイン城が完成する前の、わずか半年ほどしか住むことができなかったのです。
「狂王」の悲しい最期
ノイシュヴァンシュタイン城建設に国が傾くほどのお金をつぎ込んでいたルートヴィヒ2世(当時40歳)は、「狂王」と呼ばれるようになっていました。
そして、「このままでは国がヤバい」と感じた周囲の人たちによって、簡易的な精神鑑定を受けさせられます。
その結果、王の座から降ろされベルク城に軟禁されることに。
その翌日、ルートヴィヒ2世はベルク城のすぐ近く、シュタンベルク湖のほとりで侍医とともに亡くなっているのが見つかりました。
強引な王位剥奪からの突然の死。さまざまな憶測が飛び交うものの、その死の真相は謎のままとなっています。
⑤大赤字の建設費があっという間に回収できた意外な理由とは?
ルートヴィヒ2世が亡くなったあと、ノイシュヴァンシュタイン城は多くの部分が未完成でありながら、建設工事は中止となりました。
王が理想追求のためにお金をつかいすぎたこともあって、国が傾くほどの借金を抱えていたからです。
ルートヴィヒ2世は生前「この城には誰も入れてほしくない」と話し、自分が亡くなったあとはお城を取り壊すように指示していたそうです。
自分だけの世界にほかの人がズカズカ踏み入ってくるのが許せなかったのでしょう。
しかし前国王の願いとはいえ、莫大な財産をつぎ込んだお城ですから無駄にすることはできません。
ノイシュヴァンシュタイン城はルートヴィヒ2世が亡くなってからわずか6週間で、有料で一般にも公開されるようになったのです。
実はこの頃に「新ホーエンシュヴァンガウ城」から「ノイシュヴァンシュタイン城」に名前が変わったんですよ!
ルートヴィヒ2世の幽霊が出ると話題に!
お金を払えば誰でも見学できるようになったノイシュヴァンシュタイン城ですが、いつしかこんな噂が流れるようになりました。
「ノイシュヴァンシュタイン城にはルートヴィヒ2世の幽霊が出るらしい」
これが話題となり、当時の人たちはおもしろがってお城の見学に訪れたそうです。
訪問者が増えたおかげで、破綻寸前だったバイエルン王国の財政も立て直されたという逸話が残っています。
ルートヴィヒ2世は自分が作った赤字をなんと自分で回収したんですね!
役立たずと言われたお城も立派な観光資源に!
ノイシュヴァンシュタイン城は軍事上の拠点というわけではなく、政治目的に建てられたわけでもない。
そして、ルートヴィヒ2世もわずか172日しか住みませんでした。
お金をかけて建てたものの、ノイシュヴァンシュタイン城は何の役にも立たなくなったと言う人さえいたそうです。
ところが、そんなお城も今日ではバイエルン州に欠かせない観光資源になっています。
まとめ:歴史や逸話などの豆知識が旅をおもしろくする!
ノイシュヴァンシュタイン城にまつわる5つの話を紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
ここで今回の重要な点をおさらいしておきましょう。
この記事のポイント
- ノイシュヴァンシュタイン城はルートヴィヒ2世がお金をかけて作った理想のお城
- 見た目は中世のお城でも、建設がスタートしたのは約150年前
- ルートヴィヒ2世とウォルト・ディズニーは似たような世界観を持っていたかもしれない
- お城のなかは快適な生活を送るための最先端のテクノロジーが散りばめられていた
- お金をかけて作ったもののルートヴィヒ2世が住んだのはたったの172日間
- ルートヴィヒ2世の願いとは裏腹に、お城は一般公開され観光地となった
- お城のなかでルートヴィヒ2世の幽霊が出ると話題になった
- 人気の観光地となり破綻寸前だった国の財政も立て直された
ノイシュバンシュタイン城は見た目の美しさから、観光ガイドブックの表紙を飾るほどの人気があります。
しかし、ルートヴィヒ2世やお城が作られた経緯などの背景を知ることで、もっともっと魅力的に感じるはずです。
歴史や逸話を知れば旅はさらにおもしろくなるでしょう。
これはノイシュヴァンシュタイン城にかぎった話ではありません。
旅行先の国や土地の歴史、観光スポットにまつわる人物や逸話について、実際に旅に出る前に調べておくことをおすすめします!
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