ノゴーン・ノール公園は住民の憩いの場!日本人捕虜の採石場からゴミ捨て場、そして公園に

とにかく伝えたいこと

ウランバートルのゲル地区にあるノゴーン・ノール公園。いまは地域住民が集まる公園になっていますが、そこはかつて日本人抑留者たちが苦役していた採石場でした。

日本人なら一度は訪れたいノゴーン・ノール公園

 

ウランバートルにあるノゴーン・ノール公園

決して有名な観光スポットではありません。

 

しかし、ノゴーン・ノール公園は日本人にはとってはゆかりのある場所。

なぜなら、第二次世界大戦で捕虜となった日本人が苦役させられていた採石場の跡地だからです。

 

そこで今回は、「実際にノゴーン・ノール公園を訪れたときの模様」を紹介していきます。

ウランバートルに訪れる機会がある人は、ぜひ読んでみてください!

 

 

 

住民の憩いの公園は、実は日本人捕虜の強制労働の場だった!

第二次世界大戦後にモンゴルへ送られた日本人

第二次世界大戦後に、日本人捕虜が送られた有名な場所といえばロシアのシベリア。

しかし、日本人捕虜が送られたのはシベリアだけではありません。

あまり知られていませんが、モンゴルも移送先の1つでした。

 

モンゴルは第二次世界大戦の終わりごろ、ソ連に続き日本に宣戦布告し戦争に参加しました。

そして、終戦後にソ連軍によって一部の日本人捕虜(民間人もいた)がモンゴルに送られることになったのです。

 

建設工事に従事させられた日本人抑留者たち

モンゴルに連れてこられた日本人たち。

彼らは、経済的にまだまだ発展していなかったモンゴルの建設工事などに従事させられました。

 

ウランバートルの中心にあるスフバートル広場近くにあるモンゴル国立オペラ・バレエ劇場連邦政府庁舎

これらは日本人の抑留者たちが建てたものです。

 

モンゴル国立オペラ・バレエ劇場

 

連邦政府庁舎

 

こうした建物の材料となったのが、現在ノゴーン・ノール公園がある場所から採取された石でした。

そして、採石したのもまた日本人抑留者たちだったのです。

 

過酷な労働現場も、今では住民憩いの公園

モンゴルに抑留していた日本人が引き揚げたあとのこと。

採石場(現ノゴーン・ノール公園)は雨水がたまり、ため池となっていました。

そして、水のなかにはゴミが捨てられており、ほぼゴミ捨て場のようになっていたのです

 

そんな土地を公園に変えたのは、近くに住むモンゴル人のウルジートクトフさんでした。

私財を投じてゴミ捨て場となっていたため池を購入し、公園に造り変えていったのです。

 

ウルジートクトフさんは、最初は採石場で日本人が苦役させられていたということを知らなかったといいます。

ただ、事情を知ったウルジートクトフさんは、今では日本人抑留者たちが働いていた当時の写真や記録を集めているそうです。

希望者には集めた資料を見せてくれるそうですよ!

 

【体験談】ノゴーン・ノール公園へバス&徒歩で行ってみた!

 

2021年8月にノゴーン・ノール公園に行ってきました。

そのときの体験談を紹介します。

 

バスと徒歩でゲル地区にある公園へ

公園へ向かうゲル地区の道(石畳)

 

街なかから22番のバスで公園の近くのバス停まで行き、そこからは徒歩で向かいます。

初めは舗装された道路ですが、住宅街に入ると石畳に変わり、さらに奥に進むと舗装されていない砂利道に変わりました。

 

公園へ向かうゲル地区の道(未舗装)

 

外国人、旅行者という雰囲気は完全に消し、モンゴル人を装います。

しかし、道行く人たちからはジロジロ見られ少しドキドキ。

バス停からゲル地区のなかを20分くらい歩くと、ノゴーン・ノール公園が姿をあらわしました。

 

ノゴーン・ノール公園は家族連れでにぎわっていた!

 

ノゴーン・ノール公園は採石場の跡地ということで岩肌がむき出しに。

丘の斜面がくり抜かれた形になっており、上から見ると小さなスタジアムや劇場のように感じました。

 

 

写真を見てわかるとおり、夏場はレンタルボートで遊ぶことができます。

そして、冬になり池の水が凍ると、今度はレンタルスケートで遊べるようになるそうです。

 

僕が公園に到着したのは夕方ごろでしたが、家族連れが多く訪れていました。

子どもたちは楽しそうにボートに乗って遊び、その姿を大人やお年寄りが上にあるベンチに座り微笑ましく眺めている光景が印象に残っています。

 

また、公園内にはさまざまなオブジェが飾られており、この土地を楽しい場所にしたいというウルジートクトフさんの想いが伝わってきます。

短い時間しか滞在しませんでしたが、その風景に心が温かくなったように感じました。

 

ノゴーン・ノール公園の情報

名称:ノゴーン・ノール公園
(Ногоон Нуурын Парк)

場所https://goo.gl/maps/LtXdaBYiokuUXfPbA(Google Map)

入場料:無料(ボート、スケートのレンタルは有料)

開園時間:9:30〜21:00

 

ノゴーン・ノール公園へ行くときに気をつけることは?

 

ここからは、実際にノゴーン・ノール公園に行ってみて感じた気をつけるべきことを紹介していきます。

気をつけること

  • バス&徒歩で行くのはあまりおすすめしない
  • できれば早い時間に行く

 

バス&徒歩で行くのはあまりおすすめしない

今回僕はバスと徒歩でノゴーン・ノール公園まで行きましたが、正直あまりおすすめできません。

なぜなら、僕自身が付近の治安に問題があると感じたからです。

 

公園自体は穏やかな雰囲気の場所でしたが、そこまでの道中にいくつか気になることがありました。

 

 

まず、バスを降りて公園に向かう途中の道端に、子どもの横でぐったりしている女性がいました。

倒れている理由は体調不良なのか、お酒なのか、ドラッグなのかわかりません。

ただ、「この辺りはヤバいかも」と緊張感が高まったのは事実です。

 

また、歩いていると道行く人たちからは漏れなくジロジロと見られます。

住宅街ではおじさんから何やら声をかけられました。

穏やかではありません。

 

そのため、公園までは歩いていくのではなく、できれば車で行くのがおすすめです

実際に、近所の人たちは徒歩できていましたが、身なりのいい人や観光客らしき人たちは公園まで車できていました。

 

できれば早い時間帯に行く

公園は21時まで開いていると書いてありましたが、おそらく時間が遅くなると辺りは真っ暗になってしまうでしょう。

まず、暗くなると治安が心配になってきます。

 

また、公園内の階段や通路はしっかりとした造りですが、それでも手作り感がある部分もあります。

明るいうちは問題なく通れますが、暗くなり足元が見えづらくなると危ないかもしれません

 

特に冬場は日が暮れるのも早いので、できれば明るいうちに時間に余裕を持って訪れるのがいいと思います。

 

まとめ:ノゴーン・ノール公園は後世に伝えたい隠れた名所

 

ノゴーン・ノール公園について、実際に訪れたときの模様とともに紹介しましたがいかがでしたでしょうか?

重要なポイントは以下のとおりです。

 

この記事のポイント

  • もともと日本人抑留者たちが苦役していた採石場だった
  • ゴミ捨て場となっていた採石場跡をウルジートクトフさんが公園に変えた
  • 今では地域住民が家族連れで訪れる憩いの場になっている
  • 入場無料で池では夏はボート、冬はスケートを楽しむことができる
  • バス&徒歩ではなく車で行くのがおすすめ
  • できれば明るいうちに時間に余裕をもって訪れる

 

採石場の跡地が誰も来ないような寂しい場所ではなく、住民が集まる憩いの場になっていること。

そして、日本人抑留者たちの苦難の歴史が風化することなく、後世にしっかりと伝えられていることは、日本人としてとても嬉しいです。

 

残念ながら今回は写真や映像を見ることはできなかったので、モンゴル滞在中にもう一度訪れたいと思います。

みなさんもモンゴルに訪れることがあれば、ぜひノゴーン・ノール公園に行ってみてください!

 

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