ドイツではペットボトルや空き缶がお金に換わる!エコ大国のデポジット制度とは?
僕がドイツに住んでいたとき、部屋のオーナーからゴミの分別について細かく言われていました。
家の近くのゴミ捨て場には色とりどりのゴミ箱があり、それぞれ細かく分別して捨てなければならなかったのです。
ドイツが環境問題に対して積極的に取り組んでいる国であることは知っていました。
ただ、オーナーの環境配慮への意識の高さで、あらためて「ドイツ=エコ大国」であることを実感しました。
今回はそんなドイツの環境問題の取り組みのなかでも、「ドイツで生活する上で知っておくべきペットボトル・瓶・缶のデポジット制度」について紹介します!
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【体験談】朝練の行き帰りで空き缶を拾って朝食を食べる
2016年に僕がドイツに住んでいたとき、毎日のようにサッカーの朝練をしていました。
トレーニングしていたのは、家から歩いて10分くらいのところにある誰でも使っていい芝生のグラウンド。
朝なのでほとんど貸し切り状態でした。
毎朝のトレーニングのほかにも日課にしていたことがあります。
それは朝練の行き帰りに、道に落ちている空き缶やペットボトルを拾うこと。
行きと帰りのルートをあえて別にして、多くのペットボトルや空き缶を拾っていました。
なぜそんなことをしていたのかというと、ドイツにはデポジット制度がありペットボトルや空き缶がお金に換わるからです。
エコ大国ドイツでは空き缶がお金に換わる
ドイツではペットボトル・瓶・缶の商品を買うときに、容器に対するお金も一緒に取られます。
そして、空いた容器をスーパーなどにある回収機へ持っていくと、容器の分のお金を返してもらえるのです。
このようにして、ペットボトル・瓶・缶の回収率を高めて、リサイクル(再利用)、リユース(再使用)を促しています。
このデポジット制度を、ドイツでは【Pfand:プファンド】といいます。
ちなみに、容器ごとのデポジットの金額は以下のとおりです。
デポジット金額
- ペットボトル・缶:1本25セント(約32円)
- 瓶:1本8セント(約10円)
また、回収の仕方は以下のとおりとっても簡単。
回収の手順
- 容器をスーパーマーケットなどにある回収機に入れてボタンを押す
- 回収期から出てきたレシートをレジに持っていく
- レジで返した容器分のお金が払い戻される
容器は買ったお店以外でも返すことが可能です。
ペットボトルや空き缶を熱心に拾っていた理由
僕がペットボトルや空き缶を熱心に拾っていたのは朝ごはんを豪華にするためです。
僕が朝ごはんに食べていたのはスーパーで売られている1つ20〜50セント(約25〜60円)のパン。
日本のパンより硬いですが、ドイツパンは安くて美味しいので僕は大好きです。
缶やペットボトルを3本拾えば十分なパンが食べられ、5本か6本拾えばハムもつけられます。
ドイツでは1日のうちでお昼ごはんが一番大事なので、朝ごはんは軽めでも大丈夫です。
空き缶拾って朝ごはんを食べられるとは、なんてステキな制度でしょう!
さらに街の美化に貢献し、資源の有効利用もできて一石三鳥。
早起きして余裕で三文以上を徳していました。
ドイツのポイ捨ての数は日本よりも多い
僕が必死に空き缶を拾っていたのは、朝ごはんが食べられないほどお金に困っていたわけではありません。
ペットボトルや空き缶が落ちていない日は、普通にお金を払ってパンを買っていました。
ただ、デポジット制度とパンの値段を知ってからは、道に落ちている空き缶はゴミではなくパンに見えるようになりました。
そしてほぼ毎日、ペットボトルや空き缶を拾うことで、朝食のパンやハムを買うことができていたのです。
それだけの量のペットボトルや空き缶が捨ててありました。
ドイツはエコに力を入れているといっても、道や草むらに捨てられているゴミの数は日本よりも多いです。
特に、エナジードリンクの缶やお酒の瓶・缶が多かったと思います。
落ちているゴミの傾向から考えると、エコに対する意識が希薄な人は若い世代に多いのかな。
そんなことを考えながら、僕はせっせと空き缶を拾っていました。
【体験談】ドイツのお隣オーストリアにもデポジット制度がある!
僕がドイツの前に住んでいたオーストリア(2014〜15年)にも、容器のデポジット制度があります。
オーストリアは水道水も飲めますが、僕は炭酸水が好きなので1.5リットルのペットボトルを買っていました。
そして、僕がペットボトルをゴミ箱に捨てているのを見た日本人の知人が、「ペットボトルをスーパーの回収機に入れるとお金をもらえる」と教えてくれたのです。
オーストリアではペットボトルは回収されない
僕は空いたペットボトルを溜め込んで、スーパーに持っていき意気揚々と回収機に投入。
しかし、僕が入れたペットボトルはお金に換わることなく、ペットボトルのまま戻ってきました。
何度やっても結果は同じ。
何がいけないのか考えながらベンチに座り、ほかの人が回収機を使うのを見ていました。
まず、おじさんが大量の空き瓶を投入。
回収機からレシートが出てきました。
次に、おばあさんが数本の空き瓶を投入。
またもや回収機からレシートが出てきました。
僕(失敗者)と成功者の違いが分からず、もう一度チャレンジしてみましたが、やはり出てくるのはレシートではなくペットボトル。
それを見かけた人が僕にやさしく教えてくれました。
「回収できるのは瓶だけだよ」
オーストリアで回収されるのは瓶だけ
なんとオーストリアのデポジット制度の対象は瓶だけ。
ドイツとは違い、缶やペットボトルはデポジットの対象外だったのです。
僕にデポジット制度を教えてくれた知人は、そもそもペットボトルの商品を買わないというエコ上級者だったので、オーストリアでは瓶だけということを知らなかったそうです。
ただ、最近ではオーストリアでもペットボトルの回収率が問題となっており、瓶と同じように、ペットボトルでもデポジット制度の導入が検討されているそうです。
やはり環境配慮という点ではドイツやオーストリアが日本よりも先を行っているように思います。
まとめ:ドイツでは飲み終わった容器はお店に返してお金に換えよう!
ドイツでのデポジット制度について紹介してきましたがいかがでしたか?
ドイツで新しく生活を始めたときや旅行でドイツに訪れたときには、ぜひデポジット制度でペットボトルや空き缶をお金に換えてみてください!
ドイツでペットボトル・瓶・缶の商品を買うときは、あらかじめデポジット代を一緒に払っています。
ペットボトルを6本買ったとするとデポジット代は1ユーロ50セント(約192円)。
なかなかの金額ですよね。
デポジット制度を知らず容器を捨ててしまうのは、毎回お金を捨ててしまっているのと同じです。
使い終わった容器は捨ててしまうのではなく、しっかりとお店に返してお金に換えましょう!
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