グラーツの歩いて回れる観光スポットを紹介!地元住民と一緒に半日散策したおすすめルート
オーストリア人に案内してもらったグラーツ旧市街の観光ルートを紹介します。半日で歩いてまわることができるので、ぜひグラーツ観光の参考にしてみてください!
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グラーツに住むオーストリア人の友人と半日散策
グラーツに住み始めてすぐの頃、オーストリア人の友人がグラーツの街を案内してくれました。
「グラーツは見どころがいっぱいあるけど、今日はまず見ておくべきところを案内するよ」といって、連れて行ってくれたのです。
彼が案内してくれたのは、グラーツの街の歴史やグラーツの今にとって大事なスポット。
グラーツについて何も知らなかった僕にとって、とてもいい勉強になりました。
そこで今回は、グラーツに住むオーストリア人の友人に案内してもらった半日で歩いて回れるグラーツのおすすめ観光スポットを紹介します。
グラーツ観光に役立つ内容になっているので、グラーツに訪れる機会がある人はぜひ最後まで読んでみてください!
地元民おすすめの観光スポットを紹介!
街自体が世界遺産に登録されているグラーツ。
そのなかでも、僕が友人に案内してもらったおすすめの観光スポットを順番に紹介していきます。
グラーツのおすすめ観光スポット
- 観光案内所と世界最大の武器庫
- 街の中心ハウプト広場
- 宮廷御用達のパン屋さん
- グラーツの街を見渡せるシュロスベルク
- ムーア川に浮かぶカフェ
- 謎の生きもの・クンストハウス
僕が案内してもらった順番でそのまま紹介しますので、ルートとともに参考にしてもらえたらと思います。
①ヨーロッパ最大の武器博物館
グラーツの武器博物館(Landeszeughaus)はヨーロッパ最大です。
15世紀にハプスブルク帝国の東の防衛拠点になっていたグラーツに、オスマン帝国の侵攻に備えて刀や銃、鎧などが集められました。
武器博物館にはそのときに集められた武器がぎっしりと並べられています。
その数なんと3万点!
博物館というよりは武器保管庫といった感じです。
歴史が好きな人、武器・兵器が好きな人にはたまらないスポットでしょう。
また、武器博物館の入り口にはグラーツの観光案内所があるので、街をまわる前に寄っておくことをおすすめします。
博物館の情報
- 営業時間
【4月〜10月】火曜日〜日曜日、祝日〈10:00〜17:00〉ガイドなしで入場可能
【11月〜3月】火曜日〜日曜日、祝日〈11:00〜17:00〉ガイド付きツアーでのみ入場可能 - 入場料
10.50€、共通チケット16€ - 武器博物館(英語):https://www.museum-joanneum.at/en/styrian-armoury
②街の中心ハウプト広場
武器博物館から少し北に進むと中庭のような広場があります。
そこがハウプト広場(Hauptplatz)です。
向かいには立派な市庁舎(Rathaus)が建っています。
そして広場の中央にはヨハン大公の銅像があります。
ヨハン大公とは、19世紀にグラーツの産業を育て、教育や社会福祉を改革した偉大な人物。
貴族出身でありながら身分の差を越えて町娘と結婚したこともあって、グラーツの人々から慕われていました。
ハウプト広場は街のど真ん中ということで、平日は多くの人で賑わっています。
まわりを走るトラムを待っている人、観光や買い物の休憩している人、友人と待ち合わせをしている人などなど。
グラーツの街の活気を感じることができます。
③宮廷御用達のパン屋さん
グラーツで最も古く、最も有名なパン屋さんホーフベッカライ・エーデッガー・タックス(Hofbäckerei Edegger-Tax)。
1569年に創業し、1888年にはオーストリア-ハンガリー帝国王家御用達の称号を授かっています。
あのハプスブルク家に愛されている味ということです。
その証拠に、ハプスブルク家の紋章「双頭の鷲」がお店の前に飾ってあります。
ここでは伝統的なオーストリアのパンだけでなくお菓子なども売っています。
お店の外観を見るためだけでも行く価値があるくらい、とても立派な店構えです。
お店の情報
- 営業時間
月曜日から金曜日〈7:00〜18:00〉
土曜日〈7:00〜13:00〉
日曜日・祝日:休業
ちなみに、ホーフベッカライ・エーデッガー・タックスのパンは日本でも食べることができます。
伝統の技とレシピを受け継いだ日本人シェフが、京都にお店を開いているそうです。
気になる人は、ぜひチェックしてみてください!
④グラーツの街を見渡せるシュロスベルク
シュロスベルク(Schlossberg)は、グラーツの街にそびえ立つ高さ473メートルの小高い丘です。
まわりに高い建物がないため、シュロスベルクに登ればグラーツの街を一望することができます。
シュロスベルクの登り方
シュロスベルクの登り方はいくつかあります。
登り方
- エレベーター
- ケーブルカー
- 260段の階段
- 裏の坂道
僕が友人に連れて行ってもらったときはケーブルカーで上まで行きました。
確かに楽ではありますが、僕のおすすめは別のルート、裏の坂道です。
裏の坂道の入り口はホーフベッカライ・エーデッガー・タックスの近くにあります。
Googleマップに書いたルートをたどってみてください。
なぜ裏の坂道から登るといいかというと、途中で景色が見えにくいからです。
坂道を登ると大きな時計塔が目の前にあらわれ、そこで初めてグラーツの街を一望することができます。
感動を最後にとっておきたい人におすすめです。
裏の坂道といっても特別急な坂ではありません。
緩やかな坂なのでこのルートを通って丘の上まで行く人はけっこういます。
不安な人はGoogleマップのストリートビューでチェックしてみてください。
ちなみに、下りは時計塔の近くの階段がおすすめです。
登り方の料金
- 坂道・階段:無料
- エレベーター:大人1.5€、子ども1€
- ケーブルカー:2.3€(市内交通の共通券が利用可能)
ナポレオンが落とせなかった城
シュロスベルクは日本語に訳すと「城山」。
今は木に覆われた小高い丘ですが、かつてはハプスブルク家によって建てられたお城がありました。
シュロスベルクのお城はまさに難攻不落。
ギネスブックにも載るほどの守りの堅さを誇っていました。
あのナポレオン軍ですら落とすことができなかったのです。
ところが、ナポレオン軍によってウィーンが占領され人質にとられてしまい、グラーツも降伏することになりました。
そのときにナポレオン軍によってお城のほとんどが壊されてしまい、今では時計塔と鐘楼しか残されていません。
グラーツの街の象徴・時計塔
お城が壊されたときに時計塔(Uhrturm)と鐘楼だけ残されたのはなぜか。
それは街の人々がナポレオン軍から買い取ったからです。
丘の上にあるものをすべて壊せ!
時計塔だけは壊さないでください!
わたしたちが時計塔を買い取ります!
それほど市民から愛されていたんですね。
いつも街を見守っている時計塔には、街の人々に守られたという歴史がありました。
この時計塔をよく見ると、時間があっていないと思う人がいるかもしれません。
実は、普通の時計と針が違うんです!
シュロスベルクの時計塔は長針が分、短針が時間を指しています。
時計塔が作られた当初は、時間を示す針しかつけられていませんでした。
のちに分を示す針をつけることになるんですが、先につけていた針が長かったため、次につける針を短くしたということです。
街には新しい観光名所や名物が誕生していますが、グラーツに住む人々にとってはいつまでも時計塔がNo.1でしょう。
⑤ムーア川に浮かぶカフェ・ムーアインゼル
グラーツの街の中心を流れるムーア川(Mur)。
そのムーア川のシュロスベルクの麓付近には、ムーアインゼル(Murinsel)というニューヨークのデザイナーによって設計された作品があります。
ムーアインゼルは日本語に訳すと「ムーア川の島」。
その名の通りムーア川に浮かんでいる島のように見えます。
しかし、このムーアインゼルは単なる芸術作品ではなく、川を渡れる橋になっています。
そして、橋の真ん中にはカフェやショップになっていて、ムーア川の上でコーヒーやお酒も楽しむことができます。
ちなみに、カフェを利用しなくても橋を渡ることができます。
僕が友人に案内してもらったときもカフェが混んでいたので、お店に寄ることなく橋を渡りました。
中世の街並みが残るグラーツでは、近代的なムーアインゼルは独特の雰囲気を醸し出しています。
お店の情報
- 営業時間
カフェ:火曜日〜日曜日〈10:00〜20:00〉※現在はコロナ対策により閉鎖
ショップ:火曜日〜金曜日〈11:00〜18:00〉
土・日曜日、祝日〈11:00〜17:30〉 - ムーアインゼル-グラーツ(英語):http://murinselgraz.at/en/
⑥謎の生きもの・クンストハウス
シュロスベルクの丘の上から街を見下ろすと、中世の面影が残る街並みのなかに明らかに異彩を放つ建物があります。
「何あれ?」と思うでしょう。
ジブリの世界から飛び出してきた巨大な生きもののような、ドラゴンボールに出てくる宇宙船のようなカタチ。
実は、「クンストハウス(Kunsthaus)」という美術館なんです。
クンストハウスのなかでは、その時々のテーマに沿ったアートが展示されています。
僕が行ったときは色彩豊かな現代アートがいくつも展示されていました。
グラーツの人は歴史ある街並みを誇りに思っています。
そのため、クンストハウスができたときは、近くに住んでいる人たちは、「変なものができてしまった」と非難していたとかいないとか。
しかし、今ではグラーツの自慢の観光スポットとして、街の人々から受け入れられています。
美術館の情報
- 営業時間
【2021年4月〜10月】月曜日〜日曜日、祝日〈10:00〜18:00〉
【11月〜12月】火曜日〜日曜日、祝日〈10:00〜18:00〉 - 入場料
10.50€、共通チケット16€
クンストハウス-グラーツ(英語):https://www.museum-joanneum.at/en/kunsthaus-graz
博物館や美術館に行くなら共通チケットがお得!
ヨハン大公が創ったヨアネウム
グラーツはシュタイアーマルク州の州都ですが、そのシュタイアーマルク州には国内最大の州立博物館があります。
名前はヨアネウム(Joanneum)。
ハウプト広場に銅像が建てられているヨハン大公によって創設されたので、この名前がつけられています。
このヨアネウムは1つの博物館ではありません。
所蔵品が展示されている時代やテーマによって、いくつかの建物に分けられています。
実は、今回紹介した武器博物館とクンストハウスもヨアネウムに含まれています。
つまり、複数の博物館や美術館が集まって、ヨアネウムという1つの大きな博物館になっているんです。
ヨアネウムに行くなら共通チケットがおすすめ
ヨアネウムに行く場合、共通チケットを利用するのがおすすめです。
共通チケットを購入すると、グラーツとシュタイアーマルク州にある19か所の博物館に入場することできます。
共通チケットにはいくつかの種類がありますが、有効期限は以下のとおりです。
チケットの種類
- 24時間:16€
- 48時間:23€
- 1年間:25€
博物館ごとにチケットを買うと10.5€なので、2か所以上の博物館・美術館に行く場合は共通チケットの方がお得です。
グラーツ観光が半日や1日であれば24時間チケット、2日間であれば48時間チケットをおすすめします。
有効期限は最初にヨアネウムに入場してからの時間です。
そのほかにも学生割引や家族割引があるので、気になる人はチェックしてみてください!
さらに、旅行を充実させたい人には「地球の歩き方」がおすすめです。旅行に役立つ情報が細かく載っているので、海外旅行に初めて行く人、初めての国に行く人は1冊持っていくと安心でしょう。
グラーツのこれまでとこれからを回るルート
半日で歩いて回れるグラーツのおすすめ観光スポットを紹介してきましたがいかがでしたか?
今回紹介した観光スポットは以下のとおりです。
僕の友人が案内してくれた観光スポットは、単にグラーツで人気がある場所というわけではありません。
グラーツの街の歴史とハプスブルク家の関係が学べる場所。
そして、グラーツが中世の街並みを残しつつ、現代的な美術・建築も積極的に取り入れようとしていることがわかる場所でした。
今回紹介したルートで観光してみると、グラーツがどのような街なのか、なんとなくわかってもらえると思います。
グラーツに立ち寄る機会がある人、グラーツに住んでいて街のことをもっと知りたいという人は、ぜひ紹介したルートを散策してみてください!